女子第3期生 活動の記録
平成17年度女子第3期生の9ヶ月にわたる活動の記録をまとめました。

仲間と共に過ごした時を思いかえしながら、3シーズンに分けた全18ステージをご覧ください。
■ 第1シーズン 
第1ステージ〜第6ステージ(3/25〜6/12)
 
「はじめまして!」  これから共に活動していく仲間の前で自己紹介。大きな声を出して緊張がほぐれました。
〜椎茸の菌打ち〜

 菌打ちは榾木にチョークで線を引いて印を付け、電気ドリルで穴を開けます。その穴に菌を繁殖させたコルク状のものを打ち込んでいきました。

 初めてドリルを使用した塾生たち。仲間やスタッフの力を借りて楽しく活動ができました。
〜地域探索〜

 
塾舎周辺の自然や地域のことを知るため、ごみ拾いを兼ねた地域探索を行いました。

 都会育ちの塾生たちが見たこともない大木や、多くの植物、水辺の命を育んでいる川などがありました。仲間と共に地域探索を楽しむことができました。 
〜播種〜

 野菜によって播種の仕方は異なります。木の棒を使ってすじ蒔きの印を付けています。この印に沿って種を蒔いていきます。
 種はすごく小さいけれど、それから立派な野菜に成長していくのです。
〜竹の子掘り〜

 
鳥栖市職員藤本さんに竹の子が生えてくるまでの行程や育ち方、竹の子の掘り方を教わりました。慣れてくると、地面の上を踏んだだけで分かるそうです。
しかも、竹の子にはオスとメスがあるといい、それも現物を見せながらの説明となりました。
 「大きな竹の子を発見!」

 
スコップで掘るのは大変だったけど、仲間と協力できたことで、塾生たちは満足した様子。

 よかったね!
〜ヤマメの放流〜

 地元のボランティア団体「やまびこ会」の方々中心となって、鳥栖市内に流れる3つの川にヤマメの放流を毎年行っています。今年も自然塾近くの大木川(だいぎがわ)にヤマメを放流することとなり、牟田鳥栖市長が最初に挨拶をされました。
 そうっと川へヤマメの稚魚を放流する塾生達。来年この川にちゃんと戻ってきてねと願う塾生の姿も見られ、それぞれの優しい一面を覗かせる活動となりました。
〜稲の播種〜

 
うるち米の天使の詩という品種と、もち米のヒヨクモチを植えました。
 一粒ずつ丁寧に、下の土が見えなくなるくらい箱一杯に蒔きました。
秋にはおいしいお米が収穫できますようにと願いを込めました。
〜茶摘み〜

 一人一袋づつビニール袋をもって、それが一杯になるまで摘んでいきます。

 足場が悪く、なかなか大変でしたがみんな頑張りました。崖で摘んだお茶はその名も『崖っぷち茶』。どんなピンチも切り抜けていけそうなお茶ですね。
 
  〜座禅会〜

  
心を落ちつかせ、静かに瞑想します。水の音と虫の声だけが響く境内で、みんな緊張感をもって、真剣に坐禅を組んでいました。
 和尚さんから塾生全員に警策を受けさせてもらいました。背筋がピンと伸び、心がすっきりするような気持ちになりました。
〜早朝登山〜

 
早朝、眠い目をこすりながら出発しました。朝4時に起きて、自然塾そば畑のある高台まで登っていきます。
 朝日を見るのは初めてという塾生も多く、楽しみにしていました。
 午前5時15分、東の山の尾根から太陽が顔を覗かせました。ゆっくりと上がってくる太陽をじっと見つめる塾生達。太陽があるから、動物も植物も、命のサイクルがあるのです。
 大地から生まれる命の数々は、みんな太陽から与えられている恩恵を受けて、生かされています。
 
〜縄の結び方〜

 
チーム農園に備えて、縄結びを覚えます。野菜の支柱を立てる際に、よく使う結び方「男結び」。覚えるまで、何度も何度もくり返し練習する塾生達。初めは、分からないと言っていた塾生も、次第に要領やコツが分かってくると、表情が段々と明るくなってきます。
 課題をクリアすると、そこに待っているのは体全身で実感できるほどの満足感と達成感。


〜味噌作り〜

 自然塾で使用する味噌は自分たちの手で作ります。仲間と息を合わせて「いちに!いちに!」4ヵ月後にはおいしい味噌をいただくことができます。 
 麹で作った食べ物は発酵食品といわれ、体にもいいんです。原料も「畑の肉」といわれる大豆を使っているのでその健康効果は絶大です。
〜ドロリンピック〜

 
田植え前の水田でドロリンピックが開催されました。競技種目は三人四脚、ガタスキー、綱引き、騎馬戦です。チーム一丸となって競技に臨む姿はたくましかったです。楽しい時間でしたね!
 
「あっちむいてホイ!」
「そぅれ!そぅれ!」 「うぉー!引っ張れー!」
 「コツがわかってきたよ!」 まっすぐ、きれいに植えることができました
 〜田植え〜
 全員、一列に並んで田植えを始めました。はじめの内は一株植えるのに時間がかかっていた塾生たちですが、時間が経つにつれコツをつかみスムーズに行うことができました。また、腰を曲げての作業だったので腰が痛くなる塾生もいました。昔の人の苦労を感じることができ、現代の生活の便利さを感じた瞬間でした。 「おいしいもち米ができますように。」
■ 第2シーズン 
第7ステージ〜第12ステージ(6/24〜9/11)
〜収穫〜

 塾生の手で苗を定植し、誘引や芽かきなどの世話をしてきた夏野菜(ナス・キュウリ・ミニトマト)は大豊作でした。
 塾生たちは笑顔で収穫をし、自然の恵みをいただきました。
コロッケ作り〜

 共同農園で収穫したジャガイモをコロッケにしていただきます。コロッケは塾生たちの好きな形にしました。中には、星型やハート型、動物の顔をかたどったものがありました。
 おいしいコロッケができるといいな!
 コロッケを揚げるのは各チームのお姉ちゃん。

 調理師さんの指導の下、崩れやすい形のコロッケも上手に揚がっていました。

 ジャガイモの定植から収穫、調理、食べるまですべての工程を自分たちの手でおこないまいた。これで自信がついて自分の家でも実践した塾生もいたようです。
〜田押し車、株かき〜

 田植えをしてから約1ヵ月、稲も伸び株数も増えました。
 腰を曲げたままでの作業は大変なものですが、おいしいお米を作るには欠かせない工程です。まさしく、『米一粒は、汗一粒』の言葉どおりですね。米作りには八十八回手がかかります。
 収穫したばかりの新鮮なトマトをガブリ!取れたての野菜を丸かじりして、野菜本来の甘さを感じることができました。

 「甘くておいしい!」

 自然の恵みに感謝していただくことができました。
 水田の稲は、塾生達の膝の上まで伸びています。
 稲が皮膚に触れると少しチクチクするけど、おいしいもち米に育ってくれるために頑張って除草をしました。
 秋にはたくさんのもち米が収穫できることでしょう。
〜親子大会〜

 第10ステージは親子大会です。チーム農園作付け計画の発表や野外炊飯、親子農業体験活動などを体験しました。そばの播種では、塾生が自分の家族にアドバイスをしているところも見られました。親子での農作業、この日の作業は塾生にとって、とても思い出深い作業になったことでしょう。
 
「お母さん、こうやるんだよ。」
 
おいしいカレーを頼みますよ! 「いただきます!」
〜きもだめし〜

「ギャー!もう来ないでぇ!」

 辺りは真っ暗でとても静かだったので、叫び声だけが響きわたりました。
 一人では絶対に通れない暗い道も仲間と手をつなげば自然と不安はなくなりました。
〜河川プール〜

 天気にも恵まれ、夏休み最後の楽しい思い出となりました。また、公共の場でルールを守って遊ぶことができました。

 これからも「社会の一員として社会の基本的なルールを守る心」を忘れないでください
 自然塾に来て初めて定植したサトイモは、塾生達がしゃがむと見えなくなるほど大きく成長していました。収穫時期まではもう少し時間がかかるようです。大きなサトイモが収穫できるよう、しっかり除草をしてあげましょう。
 
〜ボランティア活動〜

 
ボランティア活動の一環として、自然塾周辺のごみ拾いを行いました。ごみの山を見て、「どうしてごみを捨てるんだろう。」とつぶやく塾生達。小さなゴミがたくさん集まれば大きなゴミになります。一人一人の心がけが大切なのです。
■ 第3シーズン
第13ステージ〜第18ステージ(9/23〜12/4)
〜蕎麦の除草〜

 第10ステージで家族と播種した蕎麦は、夏の台風の影響で少し傾いてはいましたが、元気にたくましく成長しました。
 蕎麦には白くて小さい花が咲き、まだ熟してはいませんでしたが蕎麦の実もちらほらと見ることが出来ました。 そばの茎は折れやすいので、折れないように除草するのは一苦労でした。みんなが頑張ったので、きっとおいしいそばになることでしょう。
 
〜ニワトリの解体〜

 農業の最終章である、ニワトリの解体が行われました
 半年間、共に育ってきたニワトリ三羽の頚動脈にメスが入れられてもなお、生きようと羽をバタつかせるニワトリの生命力。ニワトリがもがき、苦しむ姿に目を伏せたくなる塾生たちに河内塾頭の声が響きます。「これが死というものだ!顔を上げてしっかり見るんだ!」塾生たちはニワトリとの思い出を巡らせ、涙を浮かべながらじっと見つめていました。ヒヨコの時から世話をし、かわいがってきたニワトリ達。ヒヨコのときはこのようにして死んでいくニワトリは想像もできなかったことでしょう。人間の手で奪ってしまったニワトリの命は、もう二度と戻ることはありません。
目をそらさず、最後まで見届けます。 ニワトリの体の仕組みをしっかり学びます。
 形や大きさは違っても生き物の命の重さはすべて同じです
 スーパーでは鶏肉は部位によって別々に売られています。例えば、手羽先10本で390円。ニワトリ五羽分の手羽先です。人間が生きるために必要なニワトリはどれだけ犠牲になっているのでしょうか。人間のために命を奪われ、人間が食べるために加工された鶏肉を嫌いだからといって残してしまう、人間は勝手な生き物です。たくさんの命を犠牲にして生かされている私達は、命を奪ってしまった生き物達のためにも精一杯生きなければなりません。
 解体後の振り返りで、「今まで何も考えずに食べていた鶏肉は、誰かが解体という作業をしてくれているからいただけたものなんだと気付きました。命をいただいたニワトリに感謝したいです。」と塾生たちが話してくれました。
 夕食で昼間解体したニワトリの唐揚げをいただきます。あの元気だったニワトリの姿は、今ここに唐揚げと言う形で塾生の前に登場しています。

 「いただきます!」
 
 「ご馳走様でした!」

 

これからも、命への感謝の気持ちを込めて言いましょう。
「あの鳥は何だ!?」 「あれがモズだよ。」
 〜野鳥の観察〜

 自然塾の近くにある河内ダムで野鳥の観察を行いました。この時期は野鳥が少ない時期だったのですが、セキレイやモズ、アオサギなどを見ることができました。また、野鳥のほかにも植物や野花の名前も知ることができ、有意義な時間を過ごすことができました。
 日本野鳥の会佐賀県支部の皆さん、ありがとうございました。
 さぁ、いよいよ出発です。 自然塾で収穫したサトウキビ。「甘いね!」
〜九千部山登山〜 

 標高848mの九千部山の登山に出発!少し天気が気になりますが、頂上目指して元気に登り始めました。地面が湿っていたので、滑って転んでしまうこともありましたが、仲間と助け合って頂上に到着することができました。しかし、到着した途端、雲が出てきて雨まで降ってきました。寒さでガタガタ震えながら食べたお弁当は忘れることのできない味になりましたね。
「大きなサツマイモが出てきた!」 「おいしそうな大根!おでんにするよー!」
〜チーム農園〜
 たくさんの失敗を繰り返してきたチーム農園。台風の被害や害虫に頭を悩まされたこともありました。しかし、チームの仲間と知恵を出し合い、解決してきました。みんなが一生懸命頑張ったので、多くの野菜が収穫できました。また、チーム農園で収穫した野菜を自分の家族に持って帰るのも楽しみの一つでした。
「結束がちょっと難しいな。」 「高いところは任せて!」
〜稲刈り〜
 八十八回以上の手間をかけたもち米がいよいよ収穫時期になりました。鋸鎌を持ってザクザク刈っていきました。刈った稲はしっかり結束し、掛け干しをします。掛け干しは背の高いお姉ちゃんが担当し、妹たちは稲を運んでくるという分担が自然にできていました。今年は豊作だったので、餅つきが楽しみですね!
「稲を持っていかれないようにしっかり持って!」 「すごぉい!一気に外れるよ。」
〜脱穀〜

 約2週間掛け干しした稲を昔ながらの道具を使用して脱穀しました。千歯こき、足踏み脱穀機、唐箕を学校で習ったことがあるという塾生も実際に使用するのは初めての体験です。千歯こきと足踏み脱穀機で稲穂をはずし、唐箕で選別をします。最後に、コンバインを使用しました。昔の方法と現代の方法の両方を学ぶことができました。
ぺったん、ぺったん! つきたてのお餅、おいしそう!
〜餅つき〜

 みんなが大切に育てたもち米(ヒヨクモチ)。石臼と杵を使ってチームの仲間と力を合わせてつきました。一生懸命ついてくれたので、とてもやわらかく、おいしい餅になりました。つきたてのお餅を砂糖醤油、きな粉、あんこ、大根おろしにつけていただきました。
   18ステージ最後の夜は、これまでのステージを振り返り、夜遅くまでチームでさまざまな思い出を語り合いました。
 初めて顔を合わせたときは友達になれるかどうか心配していましたが、9ヶ月間寝食を共に過ごしていく中で自然と笑顔が増えていきました。仲間との思い出話は夜遅くまで続いていました。
 「チーム農園、ありがとうございました!」
さまざまな工夫が見られたチーム農園。みんなが頑張って世話をしたので立派な野菜が収穫できました。チーム農園の野菜を世話していく中で発生した問題をみんなで解決しようと話し合いも自然に増えていきました。そのことで、チームの仲間との絆が深まり、本当の姉妹のような関係を築くことができました。 

 自然塾で出会った仲間との絆、自然塾での思い出を大切に、さまざまな場所での活躍を期待しています!